2017年11月11日

クリスマス メーカーズ マーケット


イギリスではあちらこちらでクリスマスの雰囲気が漂い始めています。早い人はもう準備万端。(私はいつも遅いー。)

今日はクリスマスのイベントについてのお知らせです。(といっても日本でこれを見ている方には残念ですが、一応こちらに在住の日本人の方も、ブログを見てくださっている方々の中にいらっしゃるから~っと)

11月25日土曜日、ヨークシャーはThirsk(サースク)という町にあるギャラリー Rural Artsさんで、Christmas Makers Market (クリスマス メーカーズ マーケット)が行なわれます。私も久しぶりに参加させていただいています。

ご興味のある方は是非お越しくださいね。

リンクはこちら→ Rural Arts

2017年10月27日

新しいウェブサイトが出来ました。


あっという間に10月も終わり。
ブログに書こうと思っていたことはいっぱいあったのですが、いつも時間に追われる感じで、書かずじまい。
今日は簡単に、でも、嬉しいお知らせです。

私のウェブサイトが新しくなりました。

実は娘が生まれて以来、更新しようと思いながら、早4年。
テクノロジーについていけない私ですが、自分でなんとか仕上げることが出来ました。自分で言うのもなんですが、われながら満足のいく結果で嬉しいです。
これから、オンラインショップの設定も頑張って完了させたいです。(予定は11月末)

ぜひ、見に来てくださいね。(日本語ではないので、ご了承ください。)
リンクはこちら。


よろしくお願いします。

2017年9月13日

ワードロー・マイヤーズ 陶器と食のフェスティバル

会場は大自然に囲まれたピークディストリクト。写真は嵐の前日。

先週末に行われた ワードロー・マイヤーズ陶器と食のフェスティバル大雨の中のキャンプで参加でしたが、無事に帰ってきました。悪天候にもかかわらずたくさんのお客様で賑わい、楽しいイベントでした。来ていただいた方々には、心から感謝いたします。

今日は、そのイベントのまとめと、参加した陶芸家の方たちの作品をいくつか紹介したいと思います。

「食卓の祝い」と題して、行われるこの展示会。

日本の食文化で育ってきた私には、食器の世界が普通にあったほうなのかもしれません。とは言っても、大量生産される陶器が世の中にたくさん出回る中、またネットでもデザイン重視の器が簡単に手に入る今、作家さんの作る器を家庭で使うのは、考えるほど容易なことではないのかもしれません。もちろん値段もかかりますしね。

でも、イギリスでもやはり最近は、自宅でご飯を作り、家族やお友達との時間を楽しむことが大切と見直されてきていますし、多くの人たちが、「手作りの器の良さ」をもっと身近に味わい始めてきているんではないでしょうか。

そんなことを考えながら、「食卓の楽しみ」をモットーに器作りを心がけている私。このイベントにはかなりの期待がありました。昨年、初めて会場に客として足を入れてみて、期待をはるかに超えるほど感激しました。一般的に、イギリスで行われる陶芸のイベントは、食器がメインでないのが多く、彫刻やデザイン性の高い作品にどこか負い目を感じていました。でも、このイベントは食器がメイン!だからこそ、このイベントに今年自分が参加できて、その感動と喜びは言葉で表せないほどでした。

今回の私のディスプレイ

いざ、本番。何十人ものベテラン作家さんたちの素敵なディスプレイが次々と立っていく中、自分のディスプレイを立てていくのは、正直気後れしました。高さもインパクトもない、初心者堂々のディスプレイやと、落ち込んでもいました。私たちの車は大きなトラックでもないし、キャンプの用具や娘も車に乗っていたし、と言い訳はありますが。でも、こういう場所で他の方のディスプレイを見ながら学ぶのが一番勉強になるのですよね。今後、こういう経験と共に、改善していきたいと思います。


写真でもわかるように、私の現在の作品「らくがき」と「まぜこぜ」の2種類のシリーズを左右対称的にディスプレイしてみました。今回のイベントで、最も嬉しく、参考になったのが、お客様からのご意見でした。多くの方から共通するご意見をいただき、気が付かなかったことを言われて面白いなあと感じたのです。

らくがきシリーズのマグとジャグ

例えば、「らくがき」シリーズは、多くの方に「北欧調」の雰囲気があると言われました。私は北欧調のインテリアや暮らし方に憧れはありますが、意識して作品を作ったりしてはいなかったので、びっくり。でも、そうやって合意的にでなく、自然に現れたのであれば、それは嬉しいこと。

まぜこぜシリーズの入れ子の器

また、「まぜこぜ」シリーズの釉薬の色合いや手触りは、今回とても評判が良く、時間をかけて作ってきた釉薬であるからこそ、非常に嬉しいものでした。「自然な色合い」「目にも手にも優しい感触」というお言葉もいただきました。

作品全体に関しては、「日本人らしい」細かいところまで丁寧な心配りがあり、その反面、西洋的な自由な装飾スタイルを持っていると、多くの方におっしゃっていただきました。いわゆる「シンプル」という表現だけでなく、より掘り下げた描写をしていただいて、私自身興味を持てました。

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器大好きな私なので、他の陶芸家の方から目が離せないのはもちろんのこと。ここからは、今回のイベントで、特に心を惹かれた方々をご紹介したいと思います。

イザベルさんは以前から私の大好きな陶芸家の一人。カラフルでリズミカルな装飾は見る人に元気を与えてくれ、彼女のマグは我が家でも毎朝登場します。

イザベルメリックさん作のバターディッシュ。鳥の取っ手が素敵
色とりどりの作品とイザベルメリックさん

そんなイザベルさん、私にとって実は今回のイベントの柱になった方。前々からいつも作品を褒めていただいたり、勇気づけてくれたりした方ですが、今回のイベントに参加するよう昨年背中を押してくれたのが彼女でした。そんな優しくてたくましい方に出会えて、本当にラッキーだと思います。イザベルさん、いつもありがとう!
 
今回のイベントで初めてお声をかけてくれたマーガレットさん。実は私のブログをいつも読んでいてくれていたそう!ブログで、娘のサブリナのことも書いていたりしたので、彼女と実際にお話しした時、なんだかとても身内のような気がしました。

マーガレットブランプトンさんのスタンドと作品たち

マーガレットさんは伝統的なスリップウェアーを作られていますが、どれも自然の生き物や植物が表面に描かれているのが特徴。

今回買ったマーガレットさん作のフクロウの器
その中でも、このちょっと変わった取っ手のついたフクロウさんの器に私は一目惚れ。素敵な作品を我が家に持って帰りました。マーガレットさんありがとうございました。

私のお向かいにディスプレイされていたフリーンさん。彼女の作品は実際に見たことはありませんでしたが、著名な陶芸雑誌に紹介されていたので、そちらで拝見したのが初めてでした。塩釉を使った独特な表面にはフリーンさんのアイコンでもある印模様が施されています。

フリーンドーランさんと素敵な作品たち

今後、ホームページの改善とオンライショップの設定を考えている私に、ご親切にいろいろなアドバイスをくださいました。もうすぐ、赤ちゃんが生まれる予定の彼女。会場に来ていた私の娘とも一緒に楽しい時間を作ってくださいました。

ベンさんの特徴である、自由奔放でどこか原始的でもある描写に、魅了される方も多いと思います。だって彼の作品を見たら笑顔が出るもの!

ベンさんのお皿たちは見ていてどれも元気が出るものばかり
ベンフォスカーさんと彼の作品たち

らくがき」シリーズで絵を描くこともあって、他の作家さんからはいろいろ影響を受けたりしていますが、彼もその一人。いつもフェイスブックでお話ししていたので、こうやって実際お会いしても、初めてではないような気がしました。想像していたような、おおらかお人柄の彼。お子さんのことや、イベントのことなど、いろいろお話ししていただけました。

ベンさんのフクロウをついに手にしました!

ずっと彼の作品を欲しいなあと思っていた私。ようやく、一品手に入れました。

イベント会場では、会場が開く前に、自分たちもあれこれ見て回ったりする時間を設けたりするものですが、そんな中、私が一番惹かれたのが、実はシーラさんの作品でした。

シーラヘリングさんと作品たち
シーラさんの独特の線描き模様

シーラさんは陶芸用の鉛筆を使って線で模様を施していきます。私も昔の「らくがき」は、鉛筆を使っていたので、とても関心を持てました。さらに、彼女の作品は、黒目の粘土と対象に明るい色が加わって、器の形も少し変形したり、エンボスを加えたりと、可愛らしさが倍増。

一目惚れしたシーラさんのジャグ

特に、このお花の取っ手のついたジャグに私は一目惚れ。ご本人もとても愛らしいお方でした。

最後に、この素晴らしいイベントの開催者でもあるパットさん。イギリスではもう長いこと親しまれてきているベテラン陶芸家です。何よりも彼女の気さくで、暖かで、そして楽しいお人柄に惹かれる人たちも多く、私ももちろん、彼女のおかげでなんとか地に足がついて仕事ができました。

パットフラーさん作のティーポットと湯呑みを購入

パットさんの作ったティーポットと湯呑み、大切に使わせていただきます。

長いブログに付き合っていただいてありがとうございました。お気に入りの作家さんはいらっしゃったかしら?名前をクリックするとそれぞれのサイトにいきますので、ぜひご覧くださいね。

2017年9月3日

北アイルランド旅行記その2:砂浜がくれたとっておきの思い出


昨日の投稿の続き。今回の北アイルランド旅行は3泊4日でしたが、中2日間のうち、4つの海岸に行くことができました。どこもかしこも美しい!世界遺産で、観光名所でもあるジャイアンツ・コーズウェーにも、もちろん行き、自然の力の素晴らしさに感動しましたが、私たちにとって一番心に残っているのは、ホワイト・ロックスという浜辺でした。とにかく、穏やかで美しい。砂浜の美しさ、海の水の美しさは、私の経験した中で最高。イギリス全国で、こんな綺麗なところは今まで見たことがありませんでした。


滞在中の天気予報は毎日雨だったので、レインコートを着ての観光を覚悟していた私たちでしたが、なんと昼間はほとんど晴れてくれました!ここぞとばかりに、予定を変更して、最初の日の午後、海辺へドライブ。目的地は別の海岸だったんですが、その前に見えたホワイト・ロックスという海岸にとりあえず足を入れてみました。あー、行ってよかった。着いた直後、娘のサブリナはもう大興奮。


「お母さん、靴とっていい?」
「もちろん、いいよ」

サブリナの満点の笑顔と笑い声が響き渡ります。最高の家族の時間が過ごせました。

砂浜遊びは子供のいる家族旅行にはもってこいの場所だと思いますよね。子供はみんな砂遊びが大好き。でも、私たちにとって、それは長い間無理なことでした。サブリナは砂遊びが医者から禁止されていたからです。


前にも書きましたが、サブリナはピータース奇形という目の障害を持って生まれ、左目の角膜移植手術をしています。右目の角膜は薄く、異なった手術をして、視覚を得ることができました。両目とも角膜の状態はおかげさまで順調ですが、角膜が傷つくことによっての失明や拒絶反応の可能性はまだまだ続きます。特に小さい子は、手の動きがしっかりしていないので、砂が目に入ってこすってしまった時に角膜を傷つけ、その炎症が悪化した場合に起きてしまう可能性を考慮し、もう少し大きくなるまではと砂遊びを避けていたのです。保育園でも、先生が1対1で見られるわけではないので、砂遊びは禁止。そんな中、私は好きなように遊ばせてあげられなく、砂遊びの体験を与えてあげられなく、いつも申し訳なく思ったり、過保護なのではと思ったりしたものでした。でも、結局、生まれた頃からの大変だった毎日と、難しい手術によって手に入れた尊い視力を、砂遊び体験とを同じ秤にかけられなかったのが本音でした。


でも、それも3歳になった頃から、少しずつ変化が。その時にもブログに書きましたが(→こちら)ミニ初砂体験デビューしたサブリナ。あの時の彼女の喜びは母親にとっても感動ものでした。あれから、私たちは何度か地元の海岸を訪れ、砂浜体験を始め、波打ち際で遊んだり、海の香りや波の音を感じたりと、当たり前のようなことで、今までできなかったことを、少しづつトライしてきました。もちろん彼女は大はしゃぎでしたが、私たちはやっぱりどこか心配気味にそばで見ていたものです。


今思えば、彼女自身が自分で経験を通して学ぶ方が一番なようで、本人も気をつけることを覚えていたのですね。リスクはやはり、何をしても伴うものですから。だから、今回は彼女の思うままに。好きなように動き回らせました。砂浜いっぱい走って、水を蹴って、砂と波でビッシャビシャになって。写真を見るたび、あの時のサブリナの大きな笑い声が聞こえてきます。

あの砂浜が私たち家族にくれたのは、とっておきの思い出でした。

2017年9月2日

北アイルランド旅行記その1:アダム・フリューさんを訪ねる

美しい海を思い起こせるコバルトの装飾

9月に入り、イギリスも秋らしい空気が少し感じられるようになってきました。秋の予感を楽しむ前に、夏の旅行記をお届けしたいと思います。日本の両親とともに初めて行ってきた北アイルランド。2編に渡って書きたいと思います。今日は第1編。

アダムさんと棚いっぱいの素敵な作品たち

陶芸をやっている以上、影響を受ける陶芸家、好きな陶芸家の方々は沢山いらっしゃいますが、その中でも私が一番大好きなのが、アダムフリューさん。彼の描く表面のデザインに一目惚れして以来、もう10年。少しずつ彼の作品を買い足しては、我が家でも愛用しています。

デザインも時とともに変化しましたが、その様子を垣間見てこれたのも素敵な記録。彼の最近のデザインは、あの美しい北アイルランドの海に影響を受けてらっしゃるのが、今回の旅で良く分かりました。(それは次の投稿で。)

今まで、展示会等の折で、3回ほどお会いしたことのあるアダムさんと奥さんのキャサリンさん(ガラスアーティスト)ですが、スタジオを訪ねたのはもちろん今回が初めて。ご家族で暖かく迎えてくださりました。では、どうしてそれが可能になったかというと。

地元の素敵な babushka cafe で、アダムさんの作ったお皿でランチ。

実は、今年で結婚10周年の私たち。普段はお祝いとか無縁の2人ですが、せっかくだから何か自分たちのお家に欲しいねえと話していたところ、私のちょっと贅沢なお願いで、アダムさんのムーンジャーと呼ばれる壺はどうかと旦那に相談しました。アダムさんがろくろでムーンジャーを作られる姿も拝見してて、以前から憧れの器の一つでした。でも、そう簡単に買えそうにないお値段なので、憧れのまま10年。そしたら、なんと旦那も同意してくれて、いざアダムさんにご相談の一報を入れてみたところ、私たちのムーンジャーを作ってくださることに!それならばと、さらに考えたのが、それを取りに行く目的も含めて、記念旅行に北アイルランドに行こうかと進展。それならばと、さらにお安くしてくださって、助かりました(笑)。

アダムさんのスタジオ

スタジオを拝見するのは、同業者としていつも興味ありありの私。かなり散らかってるからと、アダムさんは恥ずかしそうでしたが、ちょっとしたデッサンや、棚いっぱいの作品を眺めて、満喫させていただきました。私たちが好きなムーンジャーを選べるよう、ご親切に幾つか作っていただいていて、どれも素敵なものばかり。目移りしましたが、旦那と二人で意見が一致し(良かった!笑)、無事に我が家にたどり着きました。

ラフスケッチをチラ撮り

今回のスタジオ訪問時にもサブリナはもちろん一緒だったので、やっぱりなかなか落ち着かなかったものの、キャサリンさんが子供の遊べるジムにみんなで行くことを提案してくれて、その後、アダムさん一家と一緒に数時間遊びにも行きました。サブリナもおかげで大はしゃぎの中、作品のこと、生活のこと、子育てのことなど、お話もいっぱい聞けて、とても楽しい時間が過ごせました。

我が家にやってきたムーンジャーもキャビネットにぴったり

大切な時間をご一緒していただたアダムさんご一家には本当に感謝しています。ありがとうございました。

アダムさんのサイト、ぜひ覗いてみてください。(→こちら

2017年8月28日

オープンスタジオ


オープンスタジオが、月初めの2週末に渡って行われました。地元の夏祭りの一環で参加したのですが、お陰様で、たくさんの方にお越しいただきました。ありがとうございました。

1月に行ったオープンスタジオ同様、売上の3%と募金箱にいただいたお金を、マンチェスターロイヤルアイホスピタル(目の専門病院です)に募金いたします。ご協力いただいた方には本当に感謝いたします。

お越しいただけなかった方のために、オープンスタジオの様子をミニビデオ風に収めました。楽しんでいただけると嬉しいです。vimeo でも見ることができます。(リンクはこちら)

2017年7月31日

虹が見える


虹が見える。4年前、当たり前のようになんとも思っていなかったこと。それは大きな間違いでした。

「残念ながら、お嬢さんは目が見えません」

医者にそう言われた時の絶望感と否定感は今でもはっきり覚えています。
娘のサブリナの目は、白く濁っていて、瞳が見えない状態で産まれました。非常に稀なピータース奇形と診断。治療法はなし。しかも眼圧が異常に高く、このままだと失明にするかもしれないのでと、その日から薬の投与が開始されました。出産から3日目のことでした。

当時のことは詳しく以前ブログにも書きました。(→こちら
私たちの生活は、それ以来一変し、非常に厳しいものでした。小さなサブリナにとってもそれはもちろんのこと。あれから100回を超える病院通い。3回に及ぶ大手術。術後、生死をさまよう敗血症にかかり緊急入院。幾つもの薬の投与や、視覚を促進する訓練は毎日続き、とにかく毎日生き延びたという感じでした。

もしも奇跡があるならば、きっとこのことでしょう。

不幸中の幸いか、私たちはヨーロッパの角膜移植界で第一線に立つ専門の手術医の率いる病院へ紹介され、角膜移植手術の道を進められました。もちろん乳児には非常に難しく成功率が50%以下とリスクは過大で、失敗すると目そのものを失うことも覚悟するようにと言われました。

未だに、サブリナは本当にラッキーだったと思います。あれ以来、徐々に視力を身につけたからです。彼女が初めて自分の手に気がついた瞬間。そして初めて私たちの目を見て笑った時。奇跡の瞬間に感じました。

小さい頃からアイパッチとメガネが始まりました。

視力がついてきたのが一般よりもずっと遅れたので、成長そのものも遅かったですが、そんな彼女でも成長しているなあと感じるものでした。

目の見え方は普通の子供とはもちろん異なります。両目とも眼振(眼球が無意識に動いてしまう)という症状を持ち、普通に集中してものを見ることができません。手術をしたと言っても移植は片目だけなので、混濁の残る目は視界も狭く、アイパッチでの弱視強化訓練と、視覚の刺激を与える工夫やら、毎日の薬の投与をしながら、不自由さを補うように彼女なりの見え方を脳が覚えていったという感じでした。

体の動きも同じで、動いているものや周りの様子がよく見えないので、他の子にしょっちゅうぶつかっていましたが、足元をよく見たり、自分で少しずつ気をつけながら動いて生活するように変わっていきました。

両目とも光に敏感で、外では一年中サングラスをかけています。その方が、動きやすくもなるのですが、それでもやはり、外での発見は難しいものでした。例えば、飛んでる鳥や蝶々、動き回るリスやら、空に見える飛行機、月や虹は、まったく目がついていきませんでした。だから、絵本で見せてはどんなものか説明してあげたりする日々が続くなか、3歳を過ぎた頃から、少しずつわかるようになってきたのです。

虹が見えた奇跡の瞬間

「お母さん、飛行機!」と空に指をさして言われた時は、涙が出るほど感激しましたね。そして、ある日、ガラス窓の先にかかる虹を自分で見つけたのです。ガラス窓は反射して、ただでさえ見えづらいし、虹は飛行機などの個体と違って、光ですから、彼女の目にどんな風に受け入れられるかはまったく不明だったのに。「虹、虹!」喜ぶ彼女の声は、私にとって涙ものでした。

病院通いや薬の投与は、現在も、これからも続きます。角膜拒絶反応の可能性は一生続きます。それでも、今こうやって普通に生活ができ、元気に成長した4歳の娘。主治医を率いるマンチェスターの目の専門病院あってのこと。感謝しきれません。

元気な4歳児に成長しています

この病院は、将来サブリナと同じような症状の子供たちを診ることのできる医者を育てている病院でもあります。一人でも多くの子供達やその家族に可能性を与えたい。そんな思いで、オープンスタジオの度、売り上げの3%はこの病院に募金させていただきます。

2017年7月18日

長い道のり?


みなさんは頭に浮かんだアイデアを実現させるまでどのくらい時間をかけますか?

私にとっての器作りは、いろんな道を経て進んでいきます。それは、陶芸の工程そのもの、例えばろくろでの整形や焼成などといったことでもありますが、もう一つ、アイデアが器になるまでの試行錯誤の過程でもあります。失敗を繰り返し、なんか違うって感じながら、少しずつ改正していく。なんだか、とても遠回りしているようですが、その過程が私にはとても大切だとも感じます。そんな道のりこそ、自分を振り返り、方向を定めてくれ、最後に納得のいくゴールへと導いてくれているからです。


ここ数ヶ月専念していた「まぜこぜ」シリーズの器。実はこれ、アイデアそのものは2011年までさかのぼります。「まぜこぜ」本来の意味は既にあったのですが、当時は、コバルトの一色に専念し、表面の模様ばかりあれこれ考えていました。その様子はこちら

その1年後、大学を卒業する頃には、釉薬の色の組み合わせを導入し、正面の模様を2種類だけに絞りました。なかなか気に入ってものができたので、ずいぶんたくさん作り始めました。その様子はこちら


ところが、実際展示会やらに出店してみたところ、このシリーズは、私のもう一つの「らくがき」シリーズ(青と白のコンビ)と比べると、お客様の反応がそれほど良くありませんでした。作り方が甘かったのか、インパクトがないのか、理由がなんであれ、がっかりしました。もうこれを作るのはやめようかと思ったこともありました。でも、「まぜこぜ」本来のアイデアだけはずっと消さずに残し、3年間の育児休業。スタジオを復帰した後は、時間が限られていたので、作り方を再検討。形や模様をシンプルにそぎ落とし、新しい「まぜこぜ」シリーズを試みました。


そして、ようやく出来上がった新「まぜこぜ」シリーズ。
表面の模様もなく、形もすっきりシンプル。大きさを幾つか揃えて、重ねたり、混ぜ合わせたりが可能。釉薬の色合わせを楽しめ、マットな表面が料理を無理なく引き立てます。誰にでも何にでも使い易い器を目指しました。そして何よりも、「混ぜ合わせて楽しい」器!


新色の桜色も含め、自分でも満足のいく器に仕上がりました。そのご褒美に、最近ビデオを作ってみたので、ご覧ください。(リンクはこちら)「まぜこぜ」シリーズは9月のイベントに初登場します。どんな風にお客様に見ていただけるか反応が楽しみです。

2017年6月30日

bloom and grow


みなさんは、見た瞬間にドキッとしたり、ワクワクしたり、そんな写真を見たことありまか。なぜか吸い込まれるような魅力がある。そんなイメージに巡り合う度、いつもどうやってそんな写真が撮れるんだろうと思ったりしてます。

インスタグラムを始めて以来、自分の表現したいものが、次第に頭の中に描かれるようになってきました。それは、ただ作品の写真を載せるだけではなくて、作品を通して自分の一部というか、生活の一部、生き方の背景などを伝えたいと思うようになってきたのです。見てくれている人たちに通じたい、お話を伝えたい。でも、どうやって膨らませていったらよいのか、よく分かっていませんでした。

ちょうど、そんなことを考えていた頃、インスタグラムではおなじみのアカウント、me_and_orla さんのオンライン講習「bloom and grow」が始まる情報が。彼女のインスタはもちろん、ブログも見てるし、podcastも何度も聞いては励みになっています。だから、飛びつきたいのは山々だったけど、「お花を使って表現力を学ぶ」という方法にちょっと懸念しました。だって、お花は好きだけど、フラワーアレンジメントを学びたいわけでもないし、4週間も実際課題についていけるか心配だったし。でも、いろいろ前説明を熟読してみて、やってみたい気持ちの方が大きかったです。結果は、受けて本当に良かった!

毎週、与えられたキーワードのなるものを深く分析しながら進み、最終課題作品を作っていきました。これを書きながら、日本語に訳すのって結構難しいと思ってしまいました。写真で表現するのもそうですが、言葉で表すのも難しいですね。インスタグラムにはその都度載せましたが、その中から週1枚分ごとだけ、こちらでご紹介します。詳しい背景はインスタグラム(→こちら)でみていただけますが、言葉なしではどのくらい通じるかしら?お気に入りや、感じ取れたものはありますか?


講習を受けた後に思ったことは、ただ写真をどう取るかではなくて、自分を発見する、新しい考え方を見つける、機会になったということです。キーワードでも、自分の苦手な分野を掘り下げて挑戦することによって、気がついたこともたくさん。そして、講習を一緒に受けた方々とのつながりや刺激は今後の活動においての励みにもなりました。他の皆さんがどんなことをされていたかは、まとめて→こちらで見ることができますよ。

ちなみに一番上のイメージは、講習の一環で作ってみたミニビデオです。(→こちらで見られます。)

2017年6月6日

今週のスマイル#15 デビー∙ジョージさんの絵


6月に入りましたね。本当は先月分の話ですが、遅ればせながらのコンスマシリーズです。今日は、私たちも住むヨークシャー在住の デビージョージさん をご紹介します。

デビーさんの絵を初めて見たのは、インスタグラムでした。半年くらい前だったかな。彼女の素敵な絵を見た時の感動は今でもはっきり覚えています。セラミックとお花を中心に描かれる彼女の世界は、チャームングで、どこかノスタルジックな雰囲気。インスタに出てくる度、どれを目にしても楽しめました。

「欲しい!」気持ちがどんどん湧き出てきたけれども、たくさん買えるわけでもないので、それ以来よーく見ては心と相談する日が続きました。そして、ある日、インスタにとある写真が写ったのです。(→これ)絵ではなく、うさぎの絵のついた小さなカップに挿した忘れな草の写真。その写真を見て、ハッとしました。感情的になり、一気に何かがよみがえった気がして。その時は絵を見たわけでもなかったのですが、「これだ!」と思えた瞬間でした。彼女なら素敵な絵になるのは間違いなし。そう思って、彼女にメッセージを送ってみたら、この絵を描いているところだったのです。そして、その絵がついに、先月我が家へやってきました。

では、なぜ、私の心に繋がったかというと。

10年前くらいのマフィンと私

もう15年くらい前のことになります。当時は、私の人生の中で、辛かった頃でもありました。肉体的、精神的な暴力を経て、夫(のち離婚)を離れ、1から自分で新しい生活を始めていました。同じ頃、生まれて8週間のうさぎ、マフィンを飼い始めました。生まれて初めてのペット。とにかく可愛がりましたね。穏やかで何気に面白い性格のマフィン。一緒にいるうちに、希望がわき、勇気が出て、暗闇の先は明るいことを、人生が楽しくもあることを、マフィンが教えてくれるように感じました。その後、今の主人と一緒になり、マフィン共々新しいうちに住み始めました。我が家にもすぐ慣れ、家族の一員のように過ごしていた頃、残念ながら突然死んでしまったマフィン。でも、彼は今でも心の中に残っています。どんなに辛くても、必ず光が見えてくる。人生は素晴らしいことを気づかせてくれたマフィン。

デビーさんの絵は、そんなマフィンの存在を思い起こすものでした。そして、私の大好きな忘れな草。これからも、毎日目にする度、励まされながら過ごせるような気がします。

デビーさん、どうもありがとう。彼女のインスタグラムはこちらです。

2017年5月29日

決断の時


先週の金曜日は最後の職場の日でした。8年間、陶芸講師として働いたアートセンターを辞めました。同僚や生徒さん、また生徒さんの親御さんからにも、あたたかい言葉をいただき、感慨深い最終日となりました。

イギリスに来て、陶芸のディプロマを修学したのが2000年。あれ以来17年間、社会福祉介護士として、勉強し、資格を取り、私の専門は知的障害者や自閉症の成人の方々で、病院、学校、デイセンター、自立(あるいは半自立)して生活しているお家等、様々な場所で働かせていただきました。専門学校の学寮でチームリーダーとして働いていた時期もあり、キャリアアップも考えていました。そんな中、今は亡き恩師デービットさんの工房で(→この記事)、休みの日は働かせていただいていた期間もありましたが、陶芸の夢は隅に置き去りのまま。逆に彼の姿を実際に目にしてきたからこそ、私には陶芸を一からやって行く勇気と覚悟がなかったんだと思います。

8年前に陶芸講師の仕事に就いて以来、心機一転。粘土復活でとても嬉しかったのを覚えています。生徒さんたちの障害に関わらず、豊かな想像力にいつも励まされてきました。タタラが上手に伸ばせるようになったとか、作りたい器や彫刻が仕上がった時の喜びとか、一人一人の小さな前進、小さな感動を応援してきました。そんな立場に務めさせていただいて幸いでしたね。

しかしながら、教室を行うのと自分で作陶するのは、やっぱり違いがありますし、実際自分が作陶を本格的に開始したのは、残念ながらデービットさんがお亡くなりになった後でした。癌と闘っていた末期、私に「あんまり教えてあげれなかったな」とおっしゃって、とてももどかしい気持ちになったのを覚えています。もちろん、教えてもらったことは山ほどあるのですが、それを実際に陶芸家として実践していない私を見て思ったことでしょう。頭の隅に、彼の言葉がいつも残っていましたが、やっぱり勇気がなかった私でした。

娘の事情で(→この記事)3年間作陶を休んだ後のこの一年間、講師の仕事と週一日の工房での作陶と両立してきました。それで気がついたことは、とにかくやりくりが大変だということ。タイミングが合わず、夜勤もやむおえない時も多く、疲れるしストレスはたまるし、子育てしながら、2つ仕事をやりくりすることに疑問を持ち始めました。自分が本当に目指していること、やりたいことは何か。優先順位は何なのか。そんなことを自問自答しながら、答えを出すには、やっぱり勇気と覚悟が必要でした。そして、今、その一歩を踏み出す決心をしました。

明日から、作陶一本でやっていきます。私にとっても家族にとっても、新しい出発。大変だけど、決心してすがすがしい気持ちです。(たったの17年かかりました!笑)

自分のことを信じてくれる家族に感謝。今までずっと見守ってくれていたデービットさんに感謝。そして、ブログを通して応援してきてくださった皆さんに感謝いたします。これからも、よろしくお願い致します。

2017年5月14日

スタジオ作りの話 その2

最近のスタジオの様子。掃除が楽になりました。

ここ2週間で、スタジオの床のコンクリートを敷く作業とスタジオの整理をしました。作業は、まずは棚にあげられるものは全部あげて、あとは全てのものを庭に立てたテント内に移動することから始めました。窯や釉薬のバケツなど、重た~いものも一杯あるので、大変でしたが、主人と二人で頑張りました。


では、なぜ今更コンクリの敷き直しをしたかというと。

長い間ブログを読んでくださっている方は、覚えているかもしれませんが、スタジオ作りを始めたのは2007年。かれこれもう10年前に遡ります!全て自分たちで一から手をかけて2011年にやっと仕上がったものでした。(その様子はこの記事→をご覧ください。)
当時は陶芸をまだやっていなかった私、違う仕事でキャリアアップを目指していたので、陶芸のスタジオは贅沢な夢。なので、資金的にも制限がありました。本当なら、プロに頼んだり、表面がツルッツルになるようなコンクリの床の方がいいのですが、毎日使うわけでもないから、粗めの仕上がりのコンクリの床を敷いたのです。でも、やはりこれでは大変でした。

というのも、粘土には「シリカ」が含まれていて、乾いた粘土の埃を吸い込むと体に害を及ぼします。そのため、埃をためないようこまめな掃除が大切なのですが、表面がボコボコしていた床は、埃がたまるたまる。どんなに掃いても、モップかけても、やっぱり埃がたまりやすくて、掃除嫌いな私は、時間も限られているし、きちんとした掃除を怠る日が続きました。しまいには、床の塗装も剥げてきて。埃もストレスもたまる一方。だらしないといえばそれまでなんですが。

娘が生まれてからは、埃が心配で、彼女はスタジオには入れませんでした。3歳を過ぎてから、スタジオを再開した私をわかるようになり、今では「お母さんはスタジオで働いてて、器を作ってる」ということを理解するようにもなりました。やっぱり娘にお母さんの働く姿も見てもらいたいと思って、資金を出してでも、床をきちんとしようと決心。


ビフォー&アフターの写真が上。今回も大活躍の旦那さんのおかげで、綺麗な床になりました。道具も壁にかける形にして、作業台を掃除しやすく、床に置くものも動きやすくキャスターを付けたりして、床拭きが簡単になるようにしました。娘もいつかスタジオに来てくれるといいなあ。